頭皮や髪の毛は、加齢や環境ストレスなどによって徐々に弱ってしまい、『薄毛』や『細毛』として表れてきます。
これは『頭皮環境の乱れ』からくるもので、頭皮の状態が悪くなると、様々な症状が起こります。
冬などの乾燥しやすい時期に起こりがちなのが、頭皮のかゆみやフケ。
かゆみによって頭皮を掻きむしってしまうと、細かい傷がついてしまい、雑菌が繁殖してより状態が悪化してしまう危険性も。
かゆみやフケを抑える商品もドラッグストアなどで販売していますが、

「どれを選んだら良いのか分からない!」
と、なりやすいでしょう。
「ラベンダー花エキス」をご存知でしょうか。
頭皮のかゆみやフケでお悩みの方には、特におすすめな育毛成分です。
この記事では、某育毛カツラメーカーに従事経験があり、現役美容師の私が『ラベンダー花エキス』について解説していきます。
ラベンダー花エキスってなに?
そもそもラベンダー花エキスとは、シソ科の植物であるラベンダーの花から抽出されるエキスです。
ラベンダーはアルプス地方が原産地とされ、中世の頃、ヨーロッパ全土に広まったとされています。
日本でも江戸時代頃にヨーロッパから広められ、現在では主に長野県と北海道で盛んに栽培されている植物です。
ヨーロッパでは古くから精神を穏やかにし、鎮静作用を持つハーブティーとして親しまれ、ストレスや不眠、食欲不振などに効果的とされています。
ラベンダー花エキスの効果
ラベンダー花エキスの効果としては、
- 抗菌作用
- 収れん作用
- 消炎作用
- 抗酸化作用
などが挙げられます。
頭皮に限らず、これらはお肌全体にとっても非常に有用な作用です。
その為、ラベンダー花エキスは、スキンケアやボディケア用の化粧品にも配合されることの多い成分です。
「頭皮のかゆみやフケ」に関して考えていくと、この作用のなかで特に有用なものは「抗酸化作用」と「抗菌作用」の二つ。
ここでは、これらの作用がどのようにして頭皮のかゆみやフケを抑えてくれるのかについて、詳しく説明していきます。
抗酸化作用の効果
人体は加齢によって、少しずつ劣化(酸化)していきます。
抗酸化作用とはこの酸化に抗う作用のことです。
頭皮は酸化していくと、皮脂が固くなり、かゆみとして現れることがあります。
固くなった皮脂は毛穴を詰まらせ、髪の毛自体の成長を妨げる原因にも。
また、毛穴が詰まることで育毛剤などの育毛アイテムを使用しても、育毛成分が頭皮内部に浸透しづらくなります。
これらを防ぐためにも、抗酸化作用のある成分を使用し、頭皮を出来る限り酸化させないようなケアを行うことは、非常に効果的です。
抗菌作用の効果
乾燥による頭皮の水分不足や、過剰な皮脂の分泌など、様々な原因によって頭皮環境が乱れると、頭皮には雑菌が繁殖しやすくなります。
雑菌が繁殖することによって、かゆみや臭い、フケなどの症状として現れることは多いもの。
放っておくとより悪化してしまい、髪の毛自体に悪影響を与えることにもなるため、
などの症状として現れてしまうことになります。
抗菌作用を持つ成分を使用し、頭皮に雑菌を繁殖させないようにすることは非常に効果的です。
頭皮ケアでは、『清潔さを保つ』のはとても大切なこと。
夏場の汗をかきやすい時期や、冬場の乾燥しやすい時期でも、常に頭皮を清潔にしてあげましょう。
配合されているヘアケアアイテムは?
ラベンダー花エキスが配合されているヘアケアアイテムには、
- 育毛剤
- シャンプー
- トリートメント
- ヘアオイル
などが挙げられます。
かゆみやフケなどを改善していくためには、これらのアイテムを正しく使用することが重要です。
ここでは、それぞれのアイテムの正しい使用方法について、詳しく説明していきます。
育毛剤の正しい使用方法
育毛剤は、『朝、夜の1日2回使う』もの。
まずは生え際からつむじにかけて、頭部のセンターに4プッシュしましょう。
その後、両サイドに3プッシュずつ塗布します。
さらに、生え際やつむじなどのご自身が気になる箇所に数プッシュし計20プッシュほど塗布します。
そのまま頭皮マッサージをしてあげるとより効果的です。
毎朝、毎晩行う必要があるため、継続していくためには『ルーティン化する』ことが重要です。
日常的に行うクセを早めにつけることで、しっかりとケアできるようになります。
シャンプーの正しい使用方法
シャンプーを正しく行うために重要なのは『泡立て』です。
シャンプー剤は油分が多い頭皮や髪の毛に使用すると、泡立ちが悪くなる性質をもちます。
しっかりと泡立たせてシャンプー剤本来の洗浄効果を発揮させるためには、2シャンすることが重要です。
1シャン目で髪の毛についた油分やスタイリング剤を洗い落し、2シャン目でしっかりと泡立たせた上で、頭皮を洗ってあげるようにしましょう。
また、シャンプー剤に配合されている『界面活性剤』と呼ばれる洗浄成分に注目することも大切です。
『高級アルコール系』に属する洗浄成分は、洗浄力が高すぎてしまい、本来残っていた方が良い油分も全て洗い流してしまう恐れがあります。
おススメなのは『アミノ酸系』や『ベタイン系』に属する洗浄成分です。
シャンプーボトルの内容成分表に、
- ラウロイルメチルアラニン
- ココイルグルタミン酸
- コカミドプロピルベタイン
などの表記で記載されているものを選ぶようにしましょう。
これらは頭皮や髪の毛に必要な油分をある程度残して洗い上げてくれる特徴があり、刺激も少ない優しい成分です。
弱った頭皮や髪の毛に負担がかからないように、洗浄成分自体に注目することも重要な要素となります。
トリートメントの正しい使用方法
トリートメントはシャンプー後に必ず行うもの。
シャンプーによってアルカリ性に傾いた髪の毛を、元の弱酸性に戻してあげるためにも行うようにしましょう。
アルカリ性に傾いたままの髪の毛は、手触りが悪く、毛先の引っかかりも激しくなってしまいます。
この時、トリートメント剤が頭皮につかないよう、髪の毛の中間から毛先にかけてトリートメント剤を塗布し、軽く揉みこんであげることで、髪の毛の内部に浸透しやすくなります。
トリートメント剤をつけた後は、5~10分程度放置し、それから洗い流してあげるとより効果的です。
トリートメント剤は頭皮に残ってしまうと、毛穴に詰まりやすくなり、それが雑菌の繁殖に繋がることも考えられます。
放置後は流し残しのないよう、しっかりと洗い流してあげることが大切です。
⇒リンスやトリートメントの違いは何?髪のプロが正しい選び方を解説
ヘアオイルの正しい使用方法
アウトバスとして使用しやすいヘアオイル。
お風呂上がりの髪の毛が濡れている状態でつけたり、スタイリング剤として使用したりと、汎用性の高いアイテムです。
セミロングほどの長さであれば約2~3滴程度を手に取り、手のひらで広げたら、髪の毛の内側から先につけていきます。
ヘアオイルはヘアケアアイテムの中でも重めの部類に入るため、先にトップなどの表面につけてしまうと、髪の毛全体が重く見えすぎてしまいます。
内側に先につけ、その後手のひらに残ったオイルを髪の毛の表面につけることで、重くなりすぎず、適度にしっとりしたヘアスタイルに。
また、よりしっかりとケアをしたいからと言って、多くオイルをつけてしまうのは厳禁です。
オイルはつけすぎてしまう事で、ベタベタした仕上がりになりやすいもの。
適量を意識して使用することが大切です。
⇒ヘアオイルの正しい使い方とタイミングは?朝・夜・目的別の方法をプロが解説
副作用は?
ラベンダー花エキスは副作用の報告などは少なく、安全性の高い成分です。
お肌の弱い方や敏感肌の方にも使用しやすい、優しい成分になります。
ただし、植物由来の成分になるため、重度の植物系アレルギーを持っている方は注意が必要です。
また、もともとアレルギーなどを持ってはいなくても、使用後に異変を感じた場合はすぐに使用を辞め、心配な場合は専門医に相談するようにしましょう。
まとめ
かゆみやフケなどが出てきたら、頭皮が異常を発信しているサインと考えましょう。
頭皮の状態に適した成分を使用し、出来るだけ早くケアしてあげることは、今後の頭皮や髪の毛のためにも非常に大切です。
頭皮ケアをしていくにあたって重要なことは『継続する』こと。
しっかりとケアして、元気な髪の毛を取り戻しましょう!
⇒女性におすすめの育毛剤ランキング!正しい使い方やよくある疑問までプロが解説
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